今治造船(愛媛県今治市、檜垣幸人社長)が11日発表した2015年度(16年3月期)決算は、海運会社の経営難に伴う解約要請や納期延長要請が相次いだことから売上高は3747億円(前期比1%減)だったが、円安の影響により増益となった。非上場のため利益額など詳細は非公表。
 檜垣社長が東京都港区で会見し、15年度の船舶引き渡しは、ばら積み貨物船を中心に91隻(計450万総トン、前期比2隻増)と説明。新規受注は44隻(9隻減)で19年半ばまでの仕事量を確保済みとした。
 16年度は西条市の西条工場で液化天然ガス船建造が本格化し、世界最大級のコンテナ船建造を秋ごろ始める。ただ、船舶の供給過剰や市場低迷が続き、新造船受注は厳しいと予想。円高による収支圧迫もあり、コストを削減しつつ為替の回復に期待するとした。