伊予鉄道(愛媛県松山市)のバス運転士=懲戒解雇=が点呼時のアルコール検査を不正な手口でごまかした問題で、国土交通省四国運輸局は9日、特別監査で一部不適切な点呼や指導監督など道路運送法に基づく法令違反が認められたとして同社を警告処分とした。
 再発防止策の報告を求めており、来年1月以降に改善状況を確認する監査を実施する。
 高松市の運輸局で清水一郎社長が「安全が公共交通の最大の使命であるということを徹底し、再発防止に努める」と陳謝。文書で警告した瀬部充一局長は「社員のコンプライアンス(法令順守)教育の徹底や管理体制の見直しなどで、二度と起こさないようにしてほしい」と求めた。
 伊予鉄によると、バス運転士で乗務監督の男性は2011年3月ごろから、貸し切りバスに乗務した際に出張先の宿泊施設で飲酒し、翌朝のアルコール検査で不正な機器を用いて検知されないようにしていた。アルコール検知器による検査は道路運送法に基づく規則で義務付けられている。