四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町、出力89万キロワット)は7日、国の原子力規制委員会の検査を受けながらの試運転から通常の営業運転に移行した。四電は2013年7月、再稼働に向けた審査を規制委に申請。7日、使用前検査に合格し、約3年2カ月かけて一連の手続きが完了した。
 伊方3号機の営業運転は、東京電力福島第1原発事故後に定期検査入りした11年4月以来。事故を踏まえた新規制基準に適合した原発では、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と関西電力高浜原発3号機(福井県)に続き4基目。高浜3号機は司法判断で運転停止しており、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電では伊方3号機が国内唯一となっている。
 規制委は今年4月から、新基準で設置した安全対策を確認する使用前検査を実施。9月6、7日、原子力規制庁の検査官が最終検査を行った。規制庁の門野利之首席原子力施設検査官は7日午後4時ごろ、使用前検査合格証と定期検査終了証を伊方原発の増田清造所長に交付した。