俳句と禅の教えをマッチングしたユニークな句集を、愛媛県新居浜市宇高町3丁目の無職嵐長行さん(69)がこのほど自費出版した。自作の句に合わせて解釈した禅語が分かりやすいと、読む人の共感を呼んでいる。
 嵐さんは種田山頭火や尾崎放哉が好きで、会社勤めのかたわら1992年に俳句を始めた。俳誌「井泉」を経て新居浜市の俳句結社「灯(ともしび)俳句会」に入り、2008年に句集「桑の実」を発刊した。
 今回は続編として70句を収めた。タイトルは「続句集 桑の実 行空のひとりごと」。嵐さんは仏教や禅宗の教えに興味を持ち、気になる禅語を選んで解釈を続けてきた。
 曲線の上の生涯初山河
 「人間には/夢とか希望とか/形のないものが/生きる大きな力となることがある」
 嵐さんが戒名として付けた「行空(こうくう)」が俳号。竹の割り箸を用いて、墨でしたためた俳句やイラストが味わい深さを醸し出している。