元松山商大学長・八木氏 松山で没30年記念遺墨展
言語学者で、松山商科大(現松山大)の学長を務めた八木亀太郎氏(1908~86年)の没後30年を記念した遺墨展が2日、愛媛県松山市一番町3丁目の萬翠荘で始まった。14日まで。
八木氏は同市出身で東京帝国大(現東京大)文学部言語学科を卒業し、ペルシャ語研究の第一人者として活躍。49年から松山商科大教授、69~74年に同学長を務めた。書や水墨、俳句など多才な趣味を楽しんだことでも知られ、同氏を慕う教え子や知人らでつくる顕彰会「三春会」が、いま一度その姿に触れてもらおうと開催した。
会場には、山水や身近な動植物を描いた水墨の色紙や書など45点が並び、力強くも温かな筆致には、独自の世界観や人柄がしのばれる。大学の師だった言語学者金田一京助氏など文化人らとの書簡も展示され、活動や親交の広さもうかがえる。