被爆70年の節目に原爆の悲惨さを後世に伝えようと、愛媛県原爆被害者の会は2日、高齢化が進む被爆者の姿を映像にまとめたDVD「未来への伝言」500枚を、中学校や高校、公共図書館など県内外421施設・団体に無償配布を始めた。中路義教会長(88)=今治市波方町波方=は「戦争がいかに怖いかを知ってほしい」と語った。
 県内の全被爆者約800人に手紙で協力を要請。2015年4~7月、24人に計17時間25分にわたってインタビューした。DVDには、うち16人の証言を30分にまとめて収録した。
 2日、県庁で中路会長ら4人が会見。胎内被爆者の松浦秀人事務局長(70)=松山市東長戸2丁目=は「いずれ被爆者はいなくなるが、映像を通して直接被爆者が語り掛けることで、被害を身近に捉えてもらえるのではないか。若い人に核兵器も戦争もない世界を目指してもらいたい」と話した。