愛媛県今治市は6日までに、同市天保山町4丁目の市公設地方卸売市場=写真=を2016年4月に民営化する方針を決めた。近年赤字が続いており、民営化で財政負担軽減と市場機能の活性化を図る。12月定例市議会に関連議案を提出する予定。
 卸売市場は1973年に開設され、青果と花卉(かき)を取り扱う。取扱額はピーク時の91年度には約53億円あったが、大型スーパー進出や農家の直販拡大などで年々減少。2014年度は約23億円にまで落ち込んだ。11年度以降、一般会計からの繰り入れで赤字補塡(ほてん)しており、14年度までの合計額は約3500万円に上る。
 民営化では、市場を現在取り仕切っている卸業者1社に施設を無償で貸し出し、災害などによる緊急的な改修以外は公費は支出しない。卸業者はこれまで場内での取引しかできなかったが、場外でスーパーなどと取引できるようになり、販路拡大が図れるという。