北越紀州「転換社債発行中止を」 大王製紙に申し入れ
大王製紙(愛媛県四国中央市)が1日発表したユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債の発行に対し、筆頭株主の北越紀州製紙(東京)が発行中止を求めていることが9日、分かった。
大王は同日、「要請があったのは事実だが、撤回の意志はない」とのコメントを出した。北越紀州は、大王が発行を実施する場合は「差し止め請求などの法的手段を検討する」としている。
転換社債発行の発表直後、大王の株価が大きく下落したことを受け、北越紀州は「株主共同の利益を阻害している」と反対を主張。4日に発行中止を含めた対応を求める文書を送付し、7日にも役員が大王の東京本社オフィスに出向き、直接申し入れたという。
大王は300億円の転換社債発行で資金調達し、三島工場のウエットティッシュ製造ライン増設など成長が見込まれる分野に充てる方針。取材に対し「収益力を高めるための投資であり、長い目で見れば企業価値は向上する」と説明、北越紀州側にも理解を求めたという。