住宅リフォームの促進で中小企業振興と住環境向上を狙った愛媛県松山市の「住まいるリフォーム補助事業」の補助申請が伸びている。2015年度は3億円の予算枠に対し、8日現在の申請受け付けは1248件、2億6010万円で、9月中にも受け付け終了となりそうだ。
 事業は14年4月の消費税増税に伴う中小企業支援策として、14年度に市内の施工業者が行う個人住宅のリフォームを対象にスタート。1年目は、受付期間を3回に区切ったことや煩雑な申請手続き、周知不足が重なり、補助実績は813件、1億4千万円(予算の47%)と低迷した。
 2年目は随時受け付けに変更し、中古住宅リフォームへの補助加算を新設するとともに、バリアフリー化と省エネルギー化工事の補助加算を拡充。4月に施工業者向け説明会などで周知した結果、申請件数は年度当初から比較的順調に推移した。7月ごろからは急増し、9月も1日平均500万円以上の申請が出ている。
 市住宅課は「受け付け方法の改善で利用しやすくなったことや、リフォーム事業に力を入れる事業者の積極的な営業活動で制度が周知された」とみている。
 一方、市議の一人は「リフォームは新築時の業者に依頼する場合が多く、補助対象外となる市外の建築会社や大手住宅メーカーで家を建てた市民は利用にためらいがある」と指摘。業者枠を広げての継続を求める市民の声があるという。