四国運輸局は30日、南予地区のタクシー運賃を15.26%引き上げると発表した。初乗りや加算の運賃の走行距離を従来より短縮する方式で8月1日から適用する。消費税増税時を除き、南予地区の本格的な値上げは1995年以来、21年ぶり。
 小型車の上限運賃の場合、初乗り運賃570円の距離を1.5キロから1.3キロに変更し、加算運賃80円の距離も374メートルから325メートルに短縮する。各事業者が2週間以内に申請し、個別の認可を受ける。
 乗務員の労働条件改善などを理由に、昨年8月から11月にかけて南予地区の事業者29社が12.4~27.5%の値上げを申請。台数換算で地区内のタクシーに占める割合が審査に必要な7割超の303台となり、運輸局が妥当な値上げ率を審査していた。
 最初に申請した宇和島ハイヤー(宇和島市)によると、南予の人口減少や経済情勢に伴う利用客の減少に歯止めがかからず経営環境は厳しいといい、弓削利明常務は「労働条件や収支の改善につなげ、地域の交通機能の維持に努めたい」と話している。
 南予地区では95年7月に小型車の初乗り運賃490円を540円に値上げ。消費税増税に伴い97年4月に550円、2014年4月に570円に改定している。
 東中予地区では14年4月、増税分と合わせ14.04%の値上げを実施している。