南極で越冬する観測隊員らに日本の正月ムードを感じてもらおうと、愛媛県の宇和島青年会議所は7日、門松一対を南極観測船「しらせ」に積み込むために発送した。
 宇和島市和霊町の和霊神社で神事があり、青年会議所メンバーが高さ約1・5メートル、重さ約20キロの門松を境内に運び、航海の安全を祈願した。「しらせ」を運用する自衛隊から宇和島地域事務所の玉井栄次所長(51)が出席し「長年続く取り組みに感動を覚える」と感謝。青年会議所の二宮正行理事長(39)は「遠くで活躍する人々に日本を思い出してほしい」と話した。
 南極への「門松定期便」は同青年会議所創立20周年の1974年、当時の南極観測船「ふじ」の艦長が宇和島市ゆかりの森田衛さん(91)=神奈川県横須賀市=だったことなどから始め、42回目。
 発案者で門松を作り続けている青年会議所OBの西平一生さん(71)=宇和島市高串=は「素材は宇和島周辺でとったもの。状態を保つためナンテンの代わりに実が崩れにくいサンキライを使い着色するなど工夫してきた」と南極へ思いをはせた。
 門松を載せた「しらせ」は11日に東京の晴海埠頭を出港し12月下旬に南極の昭和基地に到着する予定。