熊本地震では被災した一部自治体が建設候補地を事前に決めておらず、完成の遅れが懸念されている応急仮設住宅。愛媛県内では全20市町が選定を進めているが、6市町が県の地震被害想定で必要とする最大世帯数分を確保できていない。選定基準は各自治体に委ねられており、まとまった面積確保のため早期再開が望まれる学校を含めるかどうかなど対応が分かれる。候補地の被災に備え必要数以上の確保を進める自治体もあり、事前選定の難しさが浮かび上がる。
 応急仮設住宅の建設用地確保が難航した東日本大震災を受け、国は2012年5月、候補地を事前に選んでおくよう都道府県に促した。
 県は13年発表の地震被害想定調査で、南海トラフ巨大地震により県内で最大約6万世帯分の仮設住宅が必要と算出。市町別の戸数も示した。愛媛新聞の調べでは松山、八幡浜、新居浜、大洲、西予の5市と松前町が必要戸数分の用地を選定できていない。