原爆のむごさを若い世代に受け継いでもらおうと、広島で被爆した亀井製菓(愛媛県松山市)会長の亀井好一さん(79)が14日、松山市文京町の愛媛大で壮絶な体験を語った。
 法文学部和田寿博教授の「平和学」の一環で、学生ら約130人が耳を傾けた。
 1945年8月6日の「あの日」、8歳だった亀井さんは爆心地から約2キロの場所で友だちとビー玉遊びをしていた。ふと空を見上げると、いつもより低い高度を飛んでいたB29から「白いものがひょいっと落ちた」。次の瞬間、火柱が上がり、吹き飛ばされて意識を失ったという。
 気付くと家の下敷きになっており、自宅に向かう線路沿いを「皮膚が焼けて、ゾンビみたいにボロボロの人たちがほとんど無言で歩いていた」と振り返った。
 法文学部1年の広見夏帆さん(18)は「被爆者の話を聴くのは初めてで、生々しい体験で驚いた。やけどの写真がとても印象的だった」と話した。