宇和島市吉田町の秋祭りで、山車、牛鬼、鹿(しか)の子が練り歩く「おねり」。宇和島市は、国の重要無形民俗文化財指定を目指し、4月に専門チームを立ち上げることを決めた。市文化課によると、山車などを使う祭り「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の重要無形民俗文化財は全国に32件あり、おねりが指定されれば中四国初。
 指定は、祭り関係者による保存・継続活動が条件。幕などの祭り道具を修復する際、申請すれば国の補助を受けられるようになる。
 市文化課によると、2014年夏に文化庁から県を通して指定申請を勧める打診があった。「経路や各地区の役割分担など藩政時代からの伝統を誇る形が引き継がれていることなどが評価された」という。
 市側の依頼に応じ、文化庁調査官が14年の秋祭りを視察したのを受け、市は指定申請へ動き始めた。県外の大学教授や県内学芸員らで構成する予定の専門チームが3~5年かけ調査を進め、国への提出資料を作成する。