住友金属鉱山(東京)は30日、愛媛県今治市宮窪町四阪島にある築110年の洋館「日暮別邸」を新居浜市王子町に移築し、グループ各社の記念館として活用すると発表した。かつて住友家長の別邸だった歴史ある洋館で、2018年9月の工事完了を目指す。金属製錬や煙害克服の歴史などの資料を展示する予定で、一般にも公開する方針。
 同社別子事業所(新居浜市)によると、雨漏りなど老朽化が著しいことから、長期保存に向けた維持・管理体制の強化のため移設を決めた。同社をはじめ住友化学や住友重機械工業、三井住友銀行などグループ20社の共同事業と位置付け、移築費や耐震補強費を出し合う。費用は非公開。
 日暮別邸は住友家15代家長の住友吉左衛門友純(1864~1926年)が1906年に建設した。木造2階建てで建築面積207.3平方メートル、延べ床面積294.5平方メートル。