四国電力の完全子会社で計測器や発光ダイオード(LED)照明などを製造している四国計測工業(香川県多度津町、津田富造社長)が3月末で愛媛県西条市ひうちの西条工場を廃止し、半導体製造請負事業から撤退することが24日、分かった。四国計測工業経営管理室は「工場を廃止せざるを得なかったのは非常に残念。半導体業界のコストダウンについていけなかった」と説明している。
 四国計測工業の西条工場は1984年、三菱電機の西条工場(現・ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング西条工場)操業開始に伴い設立。自社と、近くにあるルネサスの工場で半導体を製造していた。最盛期の96年には売上高195億円、従業員約500人と業容を拡大したが、国際的な競争激化などの影響で2000年に自社の生産ラインを停止し、近くのルネサスの工場で製造請負事業を続けている。
 同社によると、14年11月の取締役会で工場廃止を決定し、社員に通知。15年2月に希望退職者を募った。従業員約190人のうち数人が既に離職。4月以降、約20人は社内で配置転換し、希望退職に応じた約160人のうち半数は事業を引き継ぐ総合人材派遣会社ワールドインテック(福岡市、伊井田栄吉社長)など3社に再就職するという。