地元産木材の利用推進や元気な森林づくりを考えるシンポジウムが5日、愛媛県松山市文京町の愛媛大であり、林材業関係者や学生が森林の現状や木材の新たな活用方法などについて知識を深めた。
 国産材の積極的な利用を通して、地球温暖化抑制につながる森林整備などを目指す林野庁の「木づかい運動」の一環として、日本木材総合情報センター(東京)が主催。林野庁の神崎弘治木材利用課長補佐が「豊富な国産材を持続的に活用することで、地域経済の活性化や雇用機会の創出にもつながる」と運動の意義を講演した。
 音楽家の坂本龍一さんが代表理事を務める森林保全団体「モア・トゥリーズ」(同)の水谷伸吉事務局長は、建築家の隈研吾氏と玩具「TSUMIKI(つみき)」を共同開発するなど、木材の利用促進に向けた取り組みを紹介。「和食の『すし』のように、海外での評価が鏡になって、日本で国産材が再評価されるようになれば」と期待を語っていた。
 林業などを専攻している愛媛大農学部4年の男子学生(23)は「自分たちが研究している国産材を、かっこよく紹介する取り組みが進んでいることがうれしかった。今後はもっとたくさんの人の手に渡るようになればいい」と話していた。