相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受け、愛媛県西条市楠の障害者(児)支援施設「東予学園」は5日、施設に侵入してきた不審者への対応訓練を実施した。職員約20人が参加し、声掛けの際の注意点や刺股の正しい使い方などを学んだ。
 対応訓練は、市が学園を民間移譲した2011年4月以降では初めて。西条西署員らが講師を務め、不審者がおのやナイフを所持して玄関から押し入ろうとするなどの3パターンの想定を、職員には知らせずに実施した。
 講習では、署生活安全課の一宮哲巡査部長が声掛けの際の注意点を「間合いに気をつけて」「最後までどういう行動をするか見ておいて」などと説明。県警本部の浜田豊彦逮捕術師範は相手の攻撃をかわすための構えなどを実践を交えて紹介し、刺股の使用法については「1対1には弱いので、相手に持たれないようにして」「制圧しようとせず、時間を稼いで」と説いた。
 訓練後、一宮巡査部長は「不審者を施設利用者に接触させず、職員だけで対応することが大事」と強調。可児昭美施設長(61)は「職員のとっさの判断が職員や利用者の安全につながることがよく分かった。防犯マニュアルを作り、定期的に訓練していきたい」と話していた。