地震発生確率低くても備えを 愛媛大で講演会
愛媛大防災情報研究センターの特別講演会が20日、松山市文京町の愛媛大であった。同大大学院理工学研究科の森伸一郎准教授が、熊本地震は今後30年間の発生確率が低いとされていた点に触れ「(南海トラフ巨大地震など)確率が高いほど切迫感を感じる必要はあるが、小さくても起こるかもしれない」と述べ、日ごろから備えが必要と訴えた。
熊本地震の現地調査をした森氏は、被災で役場機能を失った熊本県の宇土市役所は、外側の飾りの柱72本のうち31本が落下したと報告。「つり下げ金具のさびによる強度不足の可能性がある」と指摘し、メンテナンスが重要と強調した。
手続きの遅れが問題となっている被災地の建物の応急危険度判定や罹災(りさい)証明発行については「県内の自治体も訓練しておく必要がある」と話した。