古くからの和紙作りを受け継ぐ内子町平岡の天神産紙工場で10日、和紙を使ったインテリアや小物を展示する和紙創作展が始まった。ひな飾りや楽器など約20種類が並び、用途の多様さと柔らかな魅力で来場者を引き付けている。11日まで。
 内子に伝わる「大洲和紙」は経済産業大臣指定の伝統的工芸品。江戸―大正期に人気を博したが、生活様式の変化に伴い需要が低迷した。今年14回目の創作展は打開策として始まった企画で、町商工会の「界隈(かいわい)づくり委員会」が主催している。
 近くの岡野千鶴さん(60)は、ひな人形作りの名人。人形の折り方はオリジナルで、学校や婦人会などでは講師も務める。今回初めて制作した大きな七段飾りを前に「やはりお姫さまは人気です」と目を細めていた。