愛媛県宇和島市天赦公園の国指定名勝「天赦園」で、ノボリフジが見頃を迎えている。完成150周年の歴史を誇る日本庭園の落ち着いた雰囲気をかれんな白い花が引き立て、来園者を魅了している。
 天赦園は1866年に宇和島藩7代藩主伊達宗紀が完成させた。伊達家の先祖とされる藤原鎌足をしのび藤の花が植えられ、ノボリフジは造園当初からあるという。棚の上に枝を伸ばすのが特徴で、庭池に架かる長さ24メートル、幅4メートルのアーチ状のフジ棚全体に咲き誇り、甘い香りを漂わせている。
 好天に恵まれた12日は約100人が訪れた。毎年写真を撮っているという同市川内の無職松本公さん(65)は「園内の風情と白いノボリフジが合っていて素晴らしい」とシャッターを切っていた。