今年は太鼓が熱い―。愛媛県鬼北町最大のイベント「でちこんか2016」が8、9の両日、町内2会場で開かれる。今回は初めて、8日の前夜祭に出演する太鼓グループのコンテストを開催。迫力の音色が祭りを盛り上げる。
 前夜祭ではこれまで地元太鼓集団「魁(さきがけ)」などが演奏していたが、熱心に活動するアマチュアグループを取り込もうとコンテストを試みる。四国と九州、中国地方から計21団体が参加。一般と中学生以下の部の各上位3団体が、「魁」などと夜のステージに立つ。審査員には抽選で観客も加わる。
 8日のコンテストは午前9時半から、前夜祭は午後6時から、同町永野市の鬼北総合公園体育館。入場無料。
 9日は役場裏の奈良川河川敷を会場に、呼び物の「ジャンボきじ鍋」が登場。直径1・8メートルの巨大鍋で約2500人分を無料で振る舞う。使用する特産のキジは約100羽。キジ肉を引き立てるために別に煮込むなど年々調理法を改良しており、約20年携わる町商工会の善家哲也さん(48)は「意外にあっさりしているが、だしが利いていて深い味わい」と太鼓判を押す。
 同時に約100店舗が出店し、キジ肉の串焼き、ユズを使ったポン酢など地元産品や、みかんジュース、極早生(わせ)ミカンなど近隣市町の味覚も並ぶ。
 「でちこんか」は「出てきませんか」を意味する地元の方言。地方活性化を目的に1994年に始まり、2日間で約2万人が訪れるイベントに成長した。運営委員長の甲岡秀文町長は「老若男女が楽しめる。秋の鬼北町を堪能してほしい」と呼び掛けている。問い合わせは実行委員会事務局=電話0895(45)1111。