全国から久しぶりに集まった子、孫、ひ孫らは合わせて36人。敬老の日の21日、数えで100歳を迎えた愛媛県松山市中野町の松本キヨノさん(99)の親族が一堂に会し、にぎやかに「百寿」を祝った。
 キヨノさんは1916(大正5)年、三内村(現東温市)生まれ。夫の肇さん(1978年死去)と農業に汗を流し、4男1女に恵まれた。目立たないが実りをもたらすかれんな稲の花を「私の人生そのもの」と愛し、夫の死後に始めた句作では90歳で句集を発行した。
 孫12人、ひ孫18人は神奈川や京都などで暮らし、なかなか顔を合わせる機会がない。今回は子どもたちを中心に「100年に1回の百寿を祝おう」と、キヨノさんと同居の長男勲さん(77)方に1~77歳の親族がそろった。
 あいさつに立った勲さんが、体の弱かった父を支えた苦労をいたわって涙ぐむと、隣で補聴器を調整していたキヨノさんが「なーんも聞こえん」と周囲を沸かせる場面も。釣り好きの四男静男さん(64)=東温市北方=がさばいたタイの作りや元気いっぱいのひ孫たちに囲まれ「ありがとうございます」とにっこり笑った。