愛媛県の宇和島市指定無形民俗文化財「八ツ鹿踊り」を受け継ぐ市役所保存会が15日、台湾・台南市で開かれる民俗芸術のイベントに出演する。出発を前に12日夕、市役所で出発式があった。
 八ツ鹿踊りは、7頭の雄鹿が1頭の雌鹿に出合った喜びを表す踊り。宇和島藩初代藩主伊達秀宗の時代に仙台から伝承されたといわれており、380年以上の歴史がある。1974年に市無形民俗文化財に指定された。
 出演するのは「台南国際民俗芸術フェスティバル2016」。各国の無形文化財保護を目的に96年から開催されている。宇和島市によると、県内団体の参加は初めてで、7月に台南市から依頼を受けた。日本からは岩手県花巻市の鹿踊りなど計3団体が出演する。
 出発式では、石橋寛久市長が「日本代表として素晴らしい踊りを披露し宇和島をPRしてきてほしい」と激励。一行14人を代表して税務課市民税係の二宮歩美主査(29)が「宇和島に来て本家の踊りを見たい、と思ってもらえるよう頑張りたい」と語った。一行は13日に台南市へ向け出発する。