宇和海の広範囲で赤潮が発生し漁業被害が出ている問題で愛媛県は7日、愛南地区でアワビ約6400個(約300万円)とマダイなど魚類約3000匹(約200万円)が新たにへい死したと発表した。愛南地区の被害は初めて。
 宇和海で6月下旬から発生している被害の累計は約3億7000万円となった。内訳は養殖魚約2億4500万円、アコヤ貝約1億2200万円、アワビ約300万円。
 県水産課によると、赤潮の原因となる有害プランクトン「カレニア・ミキモトイ」が、宇和海南部海域で海水1ミリリットル1000個(アワビは200個)の危険濃度を大幅に超過。6日時点で船越湾の1万4700個を最高に、福浦湾で1万3100個、久良湾で1万1100個を検出した。同課は被害抑制に向け、餌止めの徹底などを呼び掛けている。
 一方、伊方から宇和島地区にかけての宇和海北部、中部海域では7月26日以降、危険濃度を超えた地点はなかった。