時宗の開祖一遍上人生誕の地とされる愛媛県松山市道後湯月町の宝厳寺が、2013年8月の火災で本堂とともに焼失した重要文化財「木造一遍上人立像」を復元した銅像や関連資料などを展示する顕彰施設「一遍上人堂」を、本堂再建に合わせて敷地内に建設することが17日、関係者の話で分かった。愛媛銀行(同市)が、創業100周年記念事業として施設整備費約4千万円を寄進した。
 本堂は檀家(だんか)や県内企業などの寄付で再建のめどがたち、今年9月の檀家総会で、踊り念仏の躍動感をイメージした、木造での建設を決めていた。上人堂は、本堂や庫裏とともに16年3月の完成予定。
 上人堂は、本堂の隣、約30平方メートルの土地に建てる予定。一遍上人立像を復元した銅像を施設内に展示する。地元や市が進める、寺に続く市道「上人坂」活性化計画などとともに、多くの人に一遍上人を周知する資料館の役割も担う。22日に再建工事のくわ入れ式を行う予定。