JAえひめ中央(愛媛県松山市)は19日、梅雨明け以降の少雨でかんきつの出荷量減といった被害拡大が懸念されることから、干害対策本部(本部長・福島龍雄理事長)を設置した。設置は2010年以来6年ぶり。灌水(かんすい)作業の徹底などを呼び掛け、高温乾燥による被害を最小限に食い止める。
 県農協中央会によると、えひめ南(宇和島市)、西宇和(八幡浜市)、東宇和(西予市)、越智今治(今治市)の県内4JAも干ばつ対策本部をすでに設置。かんきつの主要産地が対応に追われる状況になっている。
 JAえひめ中央の管内では梅雨明け以降、農作物の生育に必要な1日20ミリ以上の雨量を観測した日がなく、かんきつの一部で葉のしおれや果実肥大の鈍化、実の日焼けなどの影響が出ている。一方、かんきつ以外の野菜や水稲で、大きな被害は今のところないという。
 19日は、松山市千舟町8丁目のJAえひめ中央の玄関前に対策本部の看板を設置。福島本部長が「かんきつはこれからの肥大が品質に大きく影響する。農家への情報提供や技術指導を徹底し、生産者と一丸となって対策に取り組みたい」と決意を述べた。