今年も「スイカ街道」の季節がやってきた―。愛媛県伊予市双海町上灘の国道56号沿線に約10軒並ぶスイカの直売所が7月初めごろからオープンし、お得意さんら県内外から足を運んできた客がスイカをたたいて音を確認したり、大きさを比べたりしてお気に入りを買っていっている。
 店や畑がある東峰地区は標高300メートル前後で、寒暖差が大きいため糖度の高いスイカができるという。「山スイカ」の愛称で親しまれ、店頭にのぼりやスイカのビーチボールが登場する風景は夏の風物詩だ。
 2日に開店した武田佐和子さん(68)は親子2代でスイカを手掛け、直売所は約40年前に設けた。今年の出来栄えは「雨が多い割には甘く味がいい。糖度が13度前後あって感激している」。
 毎日午前5時から、夫の清春さん(71)と収穫作業。傾斜のある畑を行ったり来たりして1個ずつ軽トラックまで運ぶのは重労働だが、客とのコミュニケーションが励みで「話をするのが楽しく癒やされる」。1年ぶりに訪れる常連の若い夫婦から「赤ちゃんを抱っこしてみて」と言われることもあるとか。
 武田さんの店で価格は1000円前後~2000円前後。出荷最盛期は7月末~8月上旬で、販売は同下旬ごろまでの見通し。