南海トラフ巨大地震を想定した震災対応訓練が3日、愛媛県松山市春日町の県立中央病院であった。病院や松山市中央消防署、雄郡地区の自主防災組織など約120人が協力しながら負傷者役の救助活動などに当たった。
 訓練は、マグニチュード(M)9.0の巨大地震が発生し、多数の傷病者が病院に集まる中、さらにM7.3の地震が発生して病院から出火、院内に人が取り残されたと想定した。
 地震発生のアナウンスで訓練開始。屋外に設営した応急救護所に負傷者役が続々と運び込まれ、医師が症状に応じて治療の優先順位を決めるトリアージを行った。火災発生が伝えられると、消防の救助隊や県警機動隊が逃げ遅れた院内の人を救出する訓練を実施。消防隊は炎に見立てた発煙筒や壁面に放水した。
 同消防署の岡本桂成署長は「発災直後の被害を最小限にして病院機能を停止させないことが重要。それぞれの役割を果たし連携してほしい」と講評。県立中央病院の西村誠明院長は「さまざまな機関の合同訓練は今後も必要になってくる」と述べた。
 訓練は秋季全国火災予防週間(9~15日)行事の一環。県立中央病院は、災害基幹拠点病院に指定されている。