貴重な肖像画など21点「村上海賊三家の至宝」 日本遺産認定記念巡回特別展
愛媛県今治、広島県尾道両市にまたがる「村上海賊の本拠地・芸予諸島」の日本遺産認定を記念した巡回特別展「村上海賊三家の至宝」が3日、今治市宮窪町宮窪の市水軍博物館で始まった。来島、能島、因島三家の武具や文書、肖像画計21点が一堂にそろう貴重な展覧会となっている。12月4日まで。
来島家関連では、豊臣秀吉、秀次、秀頼と徳川家康が通総、康親らに送った朱印状などを展示。秀吉から拝領したと大分県玖珠町の末広神社に伝わる「具足下着」や通康、通総、康親の肖像画が並ぶ。
能島家では、1595(文禄4)年の検地後、小早川秀秋から届いた領地の給付や貸与を示す「知行方目録」「中納言蔵入目録」を公開。それぞれ豊臣秀吉の朱印状が添えられている。関ケ原の戦いで伊予に渡海した武吉、元吉らの連署書状は、元吉の戦死の前日に発給された貴重な文書となっている。
因島家関連では、小早川隆景から贈られたとされる「白紫緋糸段縅腹巻(しろむらさきひいとだんおどしはらまき)」や、向島(尾道市)を領地として与えることを吉充に約束した隆景の書状などが展示されている。
初公開されるものも多く、市水軍博物館の高橋剛館長は「貴重な史料を通して三家の歴史を感じてほしい」と話している。
巡回特別展は、10月下旬までのおのみち歴史博物館(尾道市)に続き、村上海賊魅力発信推進協議会が開催。12月7日からは因島水軍城(同)でも開かれる。