4月、元ロッテ投手の小林昭則氏(48)が帝京第五野球部の監督に就いた。愛媛県高野連によると、県内の高校で元プロ野球選手が教員として監督に就くのは初めて。「打てるチームに仕上がった」といい、「学校を夏の甲子園初出場に導きたい」と指導に熱を入れている。
 小林監督は東京都出身で、帝京の投手として、3年時の1985年の選抜大会に出場。準決勝の池田戦で完封するなど活躍し準優勝を果たした。筑波大を経て89年にドラフト2位でロッテに入団、7年間で27試合に登板した。
 96年の現役引退後は球団の打撃投手とスコアラーを務めたが、「甲子園で大観衆の中試合をした幸せな経験を生徒たちにもさせてあげたい」と2000年に母校帝京の教壇に立った。02年から名門野球部の助監督として約8年間、ソフトバンクの中村晃外野手や阪神の原口文仁捕手、DeNAの山崎康晃投手などプロ野球で活躍する多くの選手を育ててきた。
 指導力の高さや選手としての豊富な経験などを評価され、系列校の帝京第五の監督として白羽の矢が立った。「田舎の学校と聞いてどんなところだろうと見に来たが、市街地も近いし緑に囲まれていい環境だと思った」と小林監督は赴任を決めた。「力のある選手がいて楽しみなチーム」と今は念願の監督業に喜びをかみしめている。