20日で2年がたつ広島土砂災害に絡み、愛媛県内では、土砂災害警戒区域指定の前提となる基礎調査を終えたものの住民の反対などで5年以上指定できていなかった約90カ所が1年間で約40カ所(18日時点)に減ったことが18日までに、県のまとめで分かった。
 県砂防課は、基礎調査後5年以上未指定だった箇所が減少した理由について、広島の災害を受けての住民意識の変化や行政による説明の強化などを挙げる。「説明会を開いていない」は約10カ所から5カ所になった。
 一方、依然として指定できない理由の大半は「住民の反対」だ。同課は「地価の下落や、特別警戒区域では建築物の構造規制や開発行為の許可制などへの懸念があるのではないか」とみる。
 2015年1月の改正土砂災害防止法では、住民の反対などで警戒区域に指定していない場合も、危険性を周知するため調査結果の公表を義務付けた。
 ただ、同課は「原則、指定後に市町が避難態勢を整備する。指定を急ぐ必要があり、粘り強く説得していく」と話す。