「弓道王国」が完全復活―。松山市上野町の県総合運動公園で12日まで行われた愛媛国体の弓道で、愛媛が2年連続の総合優勝を飾った。低迷期を乗り越え、地元で最高の結果を残した選手たちを、県弓道連盟の渡辺豊会長(66)は「天皇杯獲得(男女総合優勝)に向けて勢いづけたかった。選手に感謝したい」と手放しでたたえた。
 愛媛は1987年から4年連続で総合優勝し、強豪県として名をはせてきた。しかし2012年に全種別が四国予選で敗退。危機感を抱いた県連盟は練習会や遠征などでこれまで以上に強化を進めた。その結果、上位入賞の数は年々増え、16年の岩手国体で16年ぶりの総合優勝を勝ち取った。
 迎えた地元国体は連覇への期待に加え、会期前競技の初日から実施されたこともあり、選手らは重圧の中で射場に立った。立役者となったのは11日の近的に出場した少年女子。決勝まで続いた接戦を制し、愛媛勢第1号の優勝を果たしたことが、同じ日にあった成年男子遠的とのダブル優勝など好成績を呼び込んだ。
 「弓道チームとしての目標を達成できた」「オール愛媛で勝ててよかった」。競技を終えた選手からは喜びの声が上がった。青野常孝副会長(75)は「連覇は本当に難しいこと。練習に練習を重ねてきたことに選手が応えてくれた」と破顔。選手強化を担当した西原篤司副会長(62)は「今後も選手の底上げを図っていきたい」と、県内弓道界のさらなる発展を期した。