東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の市教育委員会に出向し、発掘調査に携わった愛媛県の松山市文化・スポーツ財団埋蔵文化財センター主査の橋本雄一さん(45)が、松山市考古館(南斎院町)で現地の写真展を催している。12月3日まで。
 橋本さんによると、気仙沼市では、津波に襲われた沿岸低地部からの宅地集団移転や高速道路建設が進み、予定地の高台には縄文時代から中世にかけての遺跡が多数眠る。市教委に専門知識を持つ職員が少なく、被災した登録文化財の対応に手を取られており、全国の自治体に専門職員の派遣を求めている。
 橋本さんは2013年10~12月、埋蔵文化財の本格調査2件と開発前の確認調査6件に関わった。東北は縄文中期の人口密度が高く、松山では珍しい土器や石器などが次々と出土し、目を見張ったという。