愛媛県内子町臼杵地区にある三島神社の秋祭りが26日開かれ、長らく途絶えていた「おねり」と獅子舞が、地域文化を研究する愛媛大生19人の参加により一時的に復活した。人口約90人、65歳以上約67%という山あいの集落は、久々に活気のある秋を取り戻した。
 砥部、久万高原両町との境界にある臼杵地区では早くから過疎高齢化が進み、おねりは昭和の終わりごろ、獅子舞は平成の初めごろに途絶えたという。おねりは小学生により復活した年もあったが、地区にはもう中学生以下の子どもがおらず、住民は文化継承へ何とかしたいと望んでいた。
 そんな中、昨年から町内を訪れていたのが愛媛大法文学部の井口梓准教授と学生たち。食や行事、方言など失われつつある文化を調査していることから、町がおねりと獅子舞への参加を打診すると快諾した。学生は住民の指導や1978年に撮影した動画を参考にして練習を重ねた。