八幡浜漁協(愛媛県八幡浜市)は10日、県産ヒノキを使った養殖用いけすを開発し、耐久試験を始めた。現在主流の鉄製に比べ、製作コストの削減や耐久性向上が期待され、実用化を目指している。
 県産材の利用促進に向けた県の補助事業に採択され、11メートル四方の四角形と1辺8メートルの八角形の2種類を漁協職員ら約10人が1日半かけて手作りした。水中の網には通常の合成繊維製を採用。八幡浜市穴井地区の業者にアジ養殖で使用してもらい、波浪などへの耐久性を確認する。
 八幡浜漁協や県によると、鉄製のいけすは1台45万~50万円で、耐用年数は10年程度という。一方、今回開発した木製の製作費は四角形が30万円、八角形が35万円。環境に配慮した保存剤を木材に注入しており、15年以上の使用に耐えられるとみている。