日中戦争中の1937年、27歳で戦死した愛媛県内子町五十崎出身の画家、上岡美平(うえおか・みへい、本名・巳平)の展覧会が、大洲市肱川町予子林の風の博物館・歌麿館で開かれている。絵を愛し結婚を前にしながら散った短い人生が、戦争の不条理さを訴えかける。展覧会は前期が28日まで、後期は1月9日~3月9日。作品計92点を展示する。
 美平は、29年に上京し早稲田大学高等師範部に入学。美術団体「春陽会」で指導を受け同会コンクールで入賞を果たす。卒業後に帰郷し、教員生活の傍ら絵画制作に励むが、中国に出征し上海近郊で戦死した。出征の約2カ月前に婚約、秋には結婚する予定だった。
 展覧会では、五十崎凧博物館や大洲市立博物館、大洲高校に展示されている大学時代の自画像や人物画、故郷の風景画などを展示。もじゃもじゃ頭にロイド眼鏡が特徴的な美平の写真や、元婚約者の家で美平の作品が見つかったことを伝える2004年の愛媛新聞記事なども飾ってある。