愛媛県内の全ての県立学校が校則を変更し校外での高校生の政治活動などを事前届け出制とする問題で、学者や弁護士ら8人が12日、県庁で、制度は憲法違反などとして松山市の8校の校長に撤廃を申し入れた。今後、県内各校に話し合いを求めていくとしている。
 申し入れは非公開。終了後、松山大法学部の遠藤泰弘教授は報道陣に「各校長から『問題があれば校則改善もあり得る』との言質が取れた」と説明した。松山東、松山南、松山北、松山中央、松山工業、松山商業、北条の7校と松山西中等教育学校の校長が出席し、学者らが52人の連名で申し入れ書を提出した。
 遠藤教授によると、松山東、松山南、松山工業の3校は「届け出は口頭で日程や満年齢、(場所が)県内か県外かの3点しか聞かない」とする運用方針を表明。遠藤教授は「校則変更の内容を確認したかったが『文書が手元にない』として答えてもらえなかった」と8校の対応を批判。さらに「政治活動と、そうではない活動の線引きも明確ではないようだ」と指摘した。
 松山東高の北須賀逸雄校長は愛媛新聞の取材に「生徒の政治的信条を問わないよう、具体的な政党名や候補者名などは聞かない」とし、政治活動が公選法違反に当たらないか担任が注意喚起するとの意図を強調。「『18歳選挙権』は初めての制度。校則に課題があれば、見直していく考えはある」と述べた。