救う会愛媛・大政さん 吉田高で講演 「拉致問題は未解決」
拉致問題を人ごとと思わないで―。北朝鮮に拉致された可能性がある愛媛県内特定失踪者の家族による講演会が15日、宇和島市吉田町北小路の吉田高校であり、生徒約450人が真剣な表情で聞き入った。
同校が毎年実施している人権・同和教育講演会の一環。いまだに解決されない問題に関心を持ってもらおうと、北朝鮮による拉致問題を考える県民会議(救う会愛媛)の大政悦子さん(75)=伊予市=が「特定失踪者の家族の声」と題し、胸の内を語った。
大政さんによると、長女の由美さんは23歳だった1991年、韓国旅行の最中に慶州で消息を絶った。大政さんは当時を振り返り「何度涙を流したか分からず、一時は自殺しようとも考えた」と心境を告白。失踪者の救出に向け「一人でも多くの人がまだ問題は解決していないと理解し、いつまでも関心を絶やさないことが大事」と訴えた。