一年を締めくくる縁日「納め薬師」が12日、隻手(かたで)薬師で知られる愛媛県東温市田窪の香積寺であり、参拝者らが感謝を胸に来年が無事であるようにと手を合わせた。
 香積寺では毎月12日が月縁日。護摩法要では平野仁弘住職(71)が「災害の多い一年だった。心の中に仏様を迎え入れ自分の力にしてほしい」と呼び掛けた。ヒノキの枝葉で作った護摩壇に火が入ると、空に向かって煙が勢いよく立ち上がり、白装束の総代や先達が炎に向かって約5千枚の木の札を次々に放っていった。
 参拝者らは住職とともに経を唱え、自ら「家内安全」「病気平癒」と書いた木が投げ入れられる様子を見守った。煙を浴びたり数珠をかざしたりして身を清める姿もあった。