愛媛県鬼北町本庁舎(同町近永)の改修工事がこのほど完了し、町は21日、町民向け見学会を開いた。約100人が参加し、特徴的な高いデザイン性を残しつつ、機能性を充実させた再生技術に感心していた。業務開始は29日。
 1958年に旧広見町が建設した本庁舎は、鉄筋コンクリート3階建て(延べ床面積約1750平方メートル)。設計は、日本への近代建築導入の先導的役割を果たした米国人建築家アントニン・レーモンドの事務所が担当した。2012年に国の登録有形文化財になった。
 改修は15年4月に着工し、耐震補強やエレベーターの新設、フロアの改装によるバリアフリー化などを実現。くら形シェル(双曲放物面)を正方形状に組み合わせた構造の議場屋根や、1本の天然木を曲げた階段手すりなど、従来の特徴的な部分は残しながら、空調やインターネット設備も充実させた。総事業費は約3億8276万円。