国登録有形文化財・旧端出場水力発電所(愛媛県新居浜市立川町)の保存活用計画策定委員会の初会合が3日、市役所であり、一般公開に向け、国重要文化財(重文)の取り扱いに準じた保存活用計画を2016年度中に作ることを確認した。
 委員には国立科学博物館や大学機関に所属する建築構造学や電力技術史、日本建築史の専門家ら4人を委嘱。委員長に住友史料館(京都市)の末岡照啓副館長を選んだ。
 初会合は一部非公開で、事務局の市がスケジュールを説明。15年度から、重文保存活用計画策定指針に基づき保存管理や環境保全、防災など各種計画をまとめるほか、地盤・構造を調査し、耐震診断も行う。
 16年度は補強工事の基本計画を策定。年度内に保存活用計画書と耐震診断報告書をまとめ、17年度から耐震等実施設計・補強工事に着手するとしている。地盤・耐震調査や計画策定業務は、文化財施設の構造調査を手掛ける文化財構造計画(大阪市)に委託する。
 3日は現地視察も実施。末岡委員長は「別子銅山の原動力となり、日本の電気事業の歴史を物語る発電所。どう保存し、来てもらえるようにするか検討したい」と話した。