全国有数のミカンどころ、愛媛県八幡浜市で31日、主力の早生(わせ)温州ミカンの収穫が始まり、宇和海に面した山々に広がる段々畑では生産者が朝早くから輝く果実を摘み取っている。作業は11月中旬ごろに本格化し、12月上旬ごろまで続く。
 日の丸ブランドで知られる同市向灘の園地では、野本和彦さん(71)の一家も「はさみ入れ」。野本さんは「1週間ほど着色が遅れている」と苦笑いしながらも、丁寧な手つきでだいだい色の実を次々とかごに入れ「消費者に喜んでもらうために頑張ってきた。忙しくなるが気を引き締めたい」と気合十分だった。
 JA西宇和(八幡浜市)によると、収穫したミカンは5日から出荷を始め、7日に東京の大田市場などで初競りにかけられる。日の丸柑橘共同選果部会の西谷与一共選長(69)は「今年は酸味は少ないが、甘くて食べやすいミカンができている」と話している。