愛媛県松山市出身の洋画家、古茂田守介(1918~60年)が最晩年に描いた風景画などの展示「最期の風景 古茂田守介《芦ノ湖》をめぐって」が、久万高原町菅生の久万美術館で開かれている。8月31日まで。
 油彩の風景画など約20点を公開。古茂田は黄土色や暗褐色などを基調とした重厚な作風で知られ、裸婦や静物をモチーフとした作品が多い中、病に苦しんだ晩年には、より軽やかなタッチの風景画を残している。展示では初期の作品や重量感のある静物画と、晩年の風景画との対比を楽しむことができる。
 同館の神内有理学芸員は「同じ画家の作品でも、心境や題材によって描き方は変わる。風景画や主題の奥深さについてじっくり考えてみてほしい」と来館を呼び掛けている。