愛媛県今治市は広島県尾道市と共同で、芸予諸島の海域を支配した「村上海賊」のストーリーの「日本遺産」認定を目指している。瀬戸内しまなみ海道で結ばれる両市は、和田竜さんの小説「村上海賊の娘」が大ヒットする中、新たな観光資源として活用を図りたい考えだ。
 村上水軍は中世の瀬戸内海を中心に権勢を振るった一族で、能島(今治市宮窪町宮窪)、来島(同市来島)、因島(尾道市)を本拠地とした三家がある。
 ストーリーに使われる文化財は、国史跡の能島城跡や、国宝の武具を数多く所蔵し能島村上氏が信仰した大山祇神社(今治市大三島町宮浦)、海道沿線の島々にある城跡など40カ所程度となる見込み。認定を受ければ、パンフレット作成やガイド育成、シンポジウム開催などのPR事業に国から補助金が出る。