69年前に450人余りが死亡、行方不明になった愛媛県内海難史上最大の惨事「第十東予丸沈没事故」の慰霊祭が3日、事故現場近くの今治市伯方町の木浦沖などであり、遺族ら16人が犠牲者の霊を慰めた。
 第十東予丸は1945年11月6日午前7時17分ごろ、今治港に向け広島県尾道市を出港した。韓国・済州島からの復員兵ら、定員の3倍に当たる約600人を乗せていた。
 船が木浦沖に差し掛かった時、突風にあおられて転覆。警察船や近くを航行していた汽船、陸では伯方島の住民などが救助に当たったが、450人余りが帰らぬ人となった。
 慰霊祭は、事故の風化を防ぐため伯方町木浦にある禅興寺の阿部信宏住職(40)が、2010年に続き開いた。遺族らは、寺の墓地にある慰霊碑を参拝し本堂で読経した後、現場近くの海上で手を合わせた。