愛媛県松山市の沖合10キロにある中島の旧中島東小学校体育館で23日、第1回「島の輪フリーマーケット」があった。住民有志や若い移住者らでつくる実行委員会が主催し、生活雑貨や手作り食品などを扱う約30ブースを設置。子どもから高齢者まで多くの人が買い物や井戸端会議を楽しんだ。
 企画したNPO法人理事長富永正一さん(68)によると、中島では近年、自然に囲まれた生活を求めて都市部や海外から若者と子育て世代の移住が増加。移住者から相談を受けて、車のチャイルドシートが不要になった住民を仲介したのがきっかけで、移住者支援に加え、地域活性化や住民同士の交流を図ろうと企画した。
 住民らは使わなくなった絵本や大きなぬいぐるみ、服のほか釣り道具や伝統料理も出品。移住者は手作りのパンやケーキ、工芸品などを並べた。
 中島で農業と音楽を通じた移住者誘致に取り組むNPO法人「農音」の田中佑樹代表理事(37)は「来場者の笑顔で、こういう場が求められていると気付かされた。移住者にとっても近所以外の人と接する機会となる」と歓迎。富永さんは「観光だけに頼るのでなく地域内での活性化も必要。好評なら継続したい」と意気込んでいた。