愛媛県の松山市埋蔵文化財センターは21日、同市堀之内の松山城三之丸跡18次調査で、藩士の弓馬の稽古に利用された馬場と道路を区切っていた「馬場土手」を初確認したと発表した。
 調査区画は県衛生研究所跡地。馬場は1661(寛文元)年に設置された。馬場土手は幅約1.1メートル、高さ約0.3メートル。粘土質の土を半円形に盛っていた。これまでの調査では、近現代の開発で破壊され確認できなかった。河野史知主任調査員は「馬場土手の形態が分かり、他の城との比較材料にもなる」と話す。
 御殿から西へ延びる溝の西端(幅約1.3メートル)と、馬場土手と並行して南に延びる溝(幅約1.1~1.2メートル)がL字状に接続して出土。絵図などの資料から、元はT字状に接続していたと考えられている。角部分には板状の橋を載せるための加工が施された端石があった。
 現地説明会は23日午前11時から、雨天決行。