第34回全日本大学女子駅伝は30日、仙台市陸上競技場から仙台市役所前市民広場までの6区間、38キロに26チームが参加して行われ、9年連続9回目出場の愛媛県の松山大が2時間3分56秒で、初優勝を果たした。史上初の6連覇を目指した立命大が2時間5分7秒で2位、名城大が2時間5分38秒で3位に入った。
 松山大は1区上原が14位と出遅れたが、後続の4区間で区間賞を奪い頂点に立った。4区の高見沢里歩、最終6区の高見沢安珠が区間新記録の快走だった。
 4位以下は京産大、大東大、大阪学院大、日体大と続き、8位の東洋大までが来年の出場権を得た。清水惇子(八幡浜高出)が出場した関大は9位。
 9度目の挑戦で初優勝した松山大。全部員が「日本一」などとメッセージを書き込んだ青色のたすきをつなぎ、アンカー高見沢安が、人差し指を掲げゴールテープを切ると、集まった部員らは抱き合って喜びを分かち合った。
 他部から助っ人を呼んで初出場した2008年は18位だったが、10年4位に入り初シード権を獲得すると上位の常連に。13年には現在の4年生4人が走り初の3位を記録、悲願の日本一に一歩一歩近づいていった。
 今年も恒例の大分県久住高原での夏合宿で、前半はクロスカントリーで持久力を鍛え、後半はトラックでスピード感を身に付けた。すると、9月の日本学生対校選手権では4種目で九つ入賞し女子トラックで優勝した。
 前日の会見で大西監督は「これまでは個人として自信がついていなかったが、今回の6人は今年個人でも全国で活躍し自信をつけていた」と語り「これまでで一番優勝に近い」状態で本番に臨んだ。
 レースはチーム内で一番安定感があり4年連続で1区を任された上原がまさかの14位と出遅れた。「思ったよりハイペースでついていくことができなかった」と肩を落とした。
 ただ、後続の選手が実力を十二分に発揮した。初出場の2区緒方は「リズムに乗って走ることができた」と区間賞の走りで3位に浮上。3区古谷が2位に順位を上げ後半につないだ。
 「先頭となかなか縮まらなくてこれはやばいと思ったが、3キロ付近でピッチを上げた」と4区高見沢里も区間1位の走りをみせ、トップと2秒差で5区中原に。併走を続けた中原は「3キロ付近で(相手が)息が上がっていると感じた。自分の走りを信じた」と、ついに先頭に立つと、アンカー高見沢安が「みんながついている」と区間新の力走で、日本一となった。
 08年創部時から大西監督と二人三脚で指導してきた村井コーチは「何もないところから始まったが、卒業生や上級生が結果を残し徐々にレールが敷かれていった。ついに優勝にたどり着いた」と感慨深げに振り返った。