農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)は8日までに、これまで明らかになっていなかった温州ミカンの「親」の品種がDNA鑑定で判明したと発表した。親はいずれも江戸時代の主要かんきつだった「紀州ミカン」と「クネンボ」。愛媛を代表する農産物の由来が遺伝子レベルで解明され、県内関係者からは今後の品種改良の効率化などに期待の声が上がっている。
 温州ミカンは明治時代から栽培が本格化し、国内のかんきつ出荷量の約7割を占める最重要品種。日本原産と推定されてきたものの諸説あったことなどから、農研機構は67品種・系統のかんきつと、温州ミカンとの親子鑑定を実施。その結果、紀州ミカンが種子親(母親)、クネンボが花粉親(父親)と判明した。